Message
現役メッセージ
石橋 凌我
東京工業大学 物質理工学院 応用化学系 4年
東工大ヨット部主将
『ヨット』
この言葉を聞いてどういう状況を思い浮かべるでしょう?優雅に海に浮かぶ船を思い浮かべるでしょうか?またまた、全く違うものを思い浮かべるでしょうか?
大学で活動しているヨットは2人乗りのディンギーヨットと呼ばれるものです。多くの人が思い浮かべるようなただただ優雅なものではありません。「海」を近くに感じ、太陽の光と風を浴びながら、頭脳、肉体、そして、五感を使って競い合う立派なスポーツ競技です。ここまで自然を感じながら競技をスポーツは他にはありません。
そのような「ヨット」というスポーツを大学から始められるかという不安はみなさん持つことでしょうが心配ありません。ほとんどの人が大学から始め、そして、学年を上げるごとにレースでも前を走ることが可能になっていきます。
また、ヨットをするには1人では全くできません。ヨットを安全にするためにサポートしてくれる人たち、合宿生活を支えてくれる人たち、レースをするために運営してくれる人たち。多い時では競技をする人以上にサポートする人たちがいるのです。仲間と協力して目標に向かう楽しさ、たくさんの人に支えられていることへの感謝の気持ちなど、様々なことを学ぶことができます。このように、他のスポーツでは味わうことのできない魅力が多くあります。
仲間や多くの人に支えてもらいながら自然を相手にするヨットというスポーツ。ヨットをする上では楽しいこと、つらいこと、うれしいこと、大変なこと…いろんなことがあるけれども、見たことのない経験したことのない景色をみることができ、一生の糧になることは保証します。
ここでしか一生体験することのできない経験を一緒にしてみませんか?
OBメッセージ
470やスナイプというディンギーは、工大生なら誰もが魅了されてしまう洗練されたマシーンといえるでしょう。ボディー造形の美しさや技巧が凝らされた各パーツの仕様、コックピットに相当するボディーの中央部に収まってみると気持ちが高ぶります。
かつて、私はその魅力に引き込まれるようにヨット部に入部しました。ヨット部で得たものの中で今でも大きなウェイトを占めるのは、一生涯付き合える仲間と合宿経験です。様々な環境で育ってきた我々は、プレーヤーとしてだけではなく、合宿やレース運営をともにマネージメントする同僚として、ひとつのチームであり、互いに家族のような存在でした。
ヨットレースは、個人のメンタルとコミュニケーション力がチームのパフォーマンスを支える頭脳派スポーツです。風や潮といった気まぐれな流体の中をどう速く進むか、高度な戦略と戦術が要求されます。数日間レースのことだけに集中し、同僚と呼吸を合わせて葉山の海に自分たちの航跡を何度も描く。その航跡が他艇よりも先に描かれている回数を競うのです。それらは単なるレース結果ではなく、チームの集大成としての到達点です。そしてそれを次の代へバトンタッチする。
今、社会から要求されている工大生の役割とはなんでしょう。もちろん、日本有数の技術者や科学者として活躍するだけではありません。リーダーとしてチームの一員として何度もチャレンジする勇気と気概です。ヨット部は自然の豊かさと厳しさを肌で感じとり、社会で生き抜く逞しさを教えくれるユニークなクラブです。講義だけでは決して身につかない、人間力の養成の場がそこにあるのです。
大友 明
東京工業大学 大学院理工学研究科 応用化学専攻 教授
東工大ヨット部顧問教員
カッコイイって、こういうことさ!
初めての試乗会で、先輩に魅せられたことを今でも覚えている。大胆さと繊細さを共に兼ね揃えているからだろうか。セーラーには不思議と魅力的な人間が多い。社会人になった今でも毎月一度はヨット部関係者と飲みに行くほどだ。年間100日以上も寝食を共にした仲間は人生の宝物だと思う。
さて、ヨット競技の魅力とは何か?海上では自然と対峙し、艇をコントロールしながら最適解を模索していく。自分だけでは変えられない大きな潮流の中で、如何に勝負し、生き抜いていくかを問われる人生に通じるものがある。レース中も人生も決断の連続だ。しかも決断は全て自己責任なのだ。視野は広く、思考は深く、決断は勇気を持って迅速に!
自然の偉大さを知り、己の可能性を知り、仲間と切磋琢磨すれば、君は必ず成長する!!君も我がヨット部で青春を謳歌してみないか?
大河 悠一
H14年度入学
新入生諸君、ご入学おめでとう。このホームページを訪れた君たち新入生は少なからずヨット部に興味を抱いていることでしょう。
そんな君たちに伝えたいことはただ1つ。
「井の中の蛙、大海へ出よ。」
ここで言う井の中の蛙とは、なかなか非日常に飛び込んでいけない人のことです。(本来の諺とは意味が違いますが。。。)
新入生の全員が井の中の蛙とは言いません。ただ、少なくとも大学入学当時の私はまさに井の中の蛙であり、なかなかヨット部への入部を決断出来ませんでした。井戸の外に見えた別世界に飛び込んでいくのはとても怖く、迷いもあるでしょう。
他人との合宿生活、海上での朝から夕方までの練習、、、それ以外にも君たちが体験したことのないような事が数多く待っています。
その中には辛い試練もあるかもしれません。それらもひっくるめて、東工大ヨット部なら必ず最高の思い出を作れます。
一瞬見えた大海に飛び出すチャンスはもう一生ないかもしれません。
最初の一歩を踏み出せば、素晴らしい世界が君たちを待っています。
H21年度入学